狩野川の新しい使い方の可能性~Retreat in the City~

国土交通省沼津河川国道事務所では、狩野川沿いの河川敷の有効活用として、2014年から沼津で都市・地域再生等利用区域として 「かのがわ風のテラス」の体制の整備、2019年から函南町で河川防災ステーションとして「川の駅 伊豆ゲートウェイ函南」を開設、また伊豆の国市でも新たな場の整備の準備をしている。

イベンント使用時の風のテラスの風景

風のテラスでは、イベントの利用促進が進められてきた。しかしコロナ禍にあって、イベントではなく日常のライフスタイルとしてこの河川敷を利用していこうと動きが進んでいる。
水曜日にはランチマーケットが毎週行われている。
さらに利用促進を進めるために2021年10月より『Retreat in the city (リトリート インザ シティー』という取り組みが始まった。
“街なかでとり戻す 私らしい時間”をテーマに、10月11月に、風のテラスでやりたいことのアイデアを募集し実証。
この実証をもとに2021年3月の一か月間、キャンペーンを行い、来年度のさらなる利用促進の準備をしていく。

10月4日、 Retreat in the city の1回目の実証実験が行われた。
風のテラスを、狩野川上流域と下流域をつなぐ拠点にしたいという意見から、柿田川河口から風のテラスまでの川を下るツアーを計画。

今回はその実証ツアーの報告だ。
参加者の20代女性3名は、SUPやカヤックはほぼ未経験。男性1名はサーフィン歴が長く、あとの2名はSUP経験者。そんな顔ぶれ。

9時20分 風のテラス集合

少し早めに到着したので、風のテラスに隣接する沼津蒸留所THE CHAMBERでコーヒーを注文。
川を眺めながらのんびり一服。ひとり、またひとりとメンバーが到着。体験後の着替えや貴重品などはここでスタッフに預ける。全員揃ったところで出発。大手町のバス停までは歩いて5、6分。

9時41分 沼津駅発

柿田経由三島駅行きの東海バスに乗車。バス代は410円。バスの本数は多くないけれど、どの時間帯も1時間に1本は必ずある。

10時02分 清水町役場バス停に到着

徒歩で役場近くの「柿田川下流駐車場」へ。
30年間、狩野川で活動する「カヤックタパ自然学校代表」の上野さん(通称タパさん)とスタッフの鈴木さんが待っていてくれた。事前に申請した身長と足のサイズに合わせて、ウェットスーツとウエットブーツが用意されていた。

その上にライフジャケットをつけ、メガネをかけている人はメガネバンドを装着。ヘルメットをかぶったら、防水対応でないスマホはスタッフに預ける。
川に持っていくものはペットボトルに入った飲み物。水筒でもよいけれど、流されてしまう可能性もあるのでペットボトルをすすめているそう。

身支度が済むと、パドルとボードの基本的な操作方法、安全上の注意事項のレクチャーを受ける。インフレータブル(空気で膨らます)タイプのSUPボードは軽量なので、女性でも脇に挟んで持つことができる。そしてついに川へ!
柿田川の河口のポイントよりカヤックを降ろす。

今回の実証ツアーでの、この場所の使用は、沼津河川事務所に届け出を提出し、清水町に確認を取ったうえで行われた。
柿田川には、貴重な植物や昆虫などが生息している。今回のコースは、この自然環境を体感できることがいちばんの決め手であり、魅力。このポイントで、清水町の職員の方の立ち合いの元、実施をすることになった。

 まずは「安全な落ち方」を教わる。川底にはゴツゴツとした岩や、場所によってはテトラポットなどが飛び出していたり、水の流れが少し急なところもあるので、万が一ボードから落ちたら、泳ごうとせずラッコのように上向きに浮くことが大事だという。

11時20分

川下りのスタートは柿田川河口。全長1.2キロの「日本一短い一級河川」で、日本三大清流のひとつ。水はクリアに透きとおる。ちなみにこの日の水温は約15度。はじめはキンと冷えるけれど、しばらくすると体が温度に慣れてくる。ふと水辺を見回すと、アオハダトンボやアゲハチョウなどがゆったりと飛んでいた。

先ほど地上で教わった方法でパドルをこぎ、進む。前後二人乗りのカヤックは、息を合わせて同じパドルの動きをすることが大切だそう。

SUPをよりダイナミックに楽しみたければスタンドスタイルで、景色を眺めながらのんびり進みたければ、座って行けばいい。参加する人それぞれの楽しみ方ができるのも魅力のひとつ。

青い空、クリアで光がキラキラと反射する水面、緑深い景色のコントラストは、まさに眼福。ここがキャンプサイトではなく市街地から程近い場所であるということを忘れてしまいそうになる。季節や天候によって見え方が違うのもネイチャースポーツのおもしろいところ。

川が進むにつれて景色や匂いや雰囲気も変わる。黄瀬川に差しかかるあたりでは、橋梁の構造を見上げるという貴重な体験もできる。

柿田川と黄瀬川が合流し、さらに狩野川へと続く箇所は流れがやや早くなる。そういう場所でパドルを止めると思わぬ方向にボードが向いてしまうので注意が必要。川の流れを知り尽くしたタパさんやスタッフさんが要所でコツをわかりやすく教えてくれる。

 狩野川を進むと程なくして左手に香貫山の五重塔が見えた。正面にあゆみ橋、そして徐々に沼津の街並みが近づいて、右手に朝のスタート地点だった風のテラスが見えた。水の旅の終わり。心地よい疲労感とともに確かな達成感があった。

13時10分

風のテラスに到着。ボードを陸に上げて返却。
まち宿 ・魚町 蔵ノ上でシャワーや着替えを済ませて解散するはずが、非日常を共有した仲間との別れを惜しんで(もしくは単にお腹が空きすぎて)、自然と足は再びTHE CHAMBERに向かった。

先ほどまで自分たちがいた川を眺めながら日替わりのランチメニュー(その日は魚鳥木のカレー)やビールを各々堪能し、それぞれの日常に戻っていった。

街を流れる狩野川は、朝に見た風景とはまるで違って見えた。

地域の魅力は、課題を解決しながらそれぞれの点を磨き上げ、そしてそれをつなぐ線になると、また魅力が高まるはずだ。
今回の参加者の20代女性は、昨年移住をした方、今年Uターンをした方、大学を卒業して地元に戻ってきた方などの背景があった。
地域で暮らすことは、小さな日常をいかに楽しめるか。
車を所有していない方にも楽しめるよう、今回は、路線バスの移動ができるポイントを選んでの実証だった。

Retreat in the city では、インスタグラムで活動を報告していく。



https://www.instagram.com/p/COlulxdhdht/?utm_medium=copy_link

SUP体験会
10/23(土)狩野川SUP体験会
SUP CRUISE or SUP YOGA
料金:2,000円(機材レンタル、講習、保険代込み)
時間:各回 50分
定員:各回8名

10/24(日)沼津SUPツアー ~中央公園-沼津港~
料金:5,500円(機材レンタル、講習、保険代込み)
定員:8名

https://crossx.tokyo/numazu-sup/?fbclid=IwAR1lTkISUZ20k2xP0GQqDDThdFFQhlAzNqkoQtIV2nKQ6ejTCdWBAqU4zuE

水辺ヨガ~青空の下で深呼吸~

10/30(土) 13:00-13:45
11/7(日) 13:00-13:45
11/15(月) 10:00-10:45

定員各回 15名

・参加費  無料
・持ち物  動きやすい服装でお越しください。水分と汗拭きようのタオルをお持ち下さい。
・講師 ポンテ・マル・スパッツィオ

↓予約をしご参加ください
https://coubic.com/ponte/783135#pageContent

■ハロウィン マーケット!
10/31(日)11:30〜15:3

11月20日まで様々なブログラムはコチラからhttp://numazu-j.net/retreat

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