‘’漁師めし‘’を堪能できる宿~内浦:とさわや旅館~
内浦漁港を目の前に立つとさわや旅館。
夏休みや春休みには多くの大学生でにぎわう場所だ。
20人~30人泊まれるとさわや旅館は
民宿よりもちょっと大きく旅館よりもアットホーム。
大学のサークルで1棟貸しをすることも良くあるそう。
どこか懐かしさ漂う客室は
漁師町の親戚の家に来たような感覚になる。
畳が敷かれ、ちょっとした鏡台。
アルミサッシの窓から見える港。
決して派手さはないが“素のまま”が安心感を与える。
大浴場は貸切。
波の音を気の知れた仲間や、家族とゆっくりお風呂につかるのは至福の時だろう。
今回お話しを伺った太田幸一さんの祖父が始めた旅館。
隣には大衆食堂もあり、食堂だけの利用も可能。
宿泊客の中には夜ご飯を食堂でアラカルトで頼む人もいるそう。
メニューには、うつぼなど地域ならではのものある。
店の前には生簀があり、食べるぎりぎりまで活きの良さを保っている。
“こだわりは生きたアジを使うこと。同級生に漁師の先輩や後輩もたくさんいますし、港も目の前なんでうちの料理はこじゃれたものではなくて「漁師めし」って感じですね”
材料もほとんどのものを地元で調達。旬のものを新鮮に味わえるように努力している。
地元の人にも利用してもらいたいと旅館を始めたころから食堂はあったそう。
“実はおじいさんはアイスクリームやをやったりお米屋をやったりチャレンジ精神旺盛な人。
最終的にこの形にたどり着いたそうです”
その想いをお父さん、息子へと。
幸一さんは湯河原で調理の修行をし戻ってきた。
そして今は弟の祐司さんに教えながら兄弟で経営、家族みんなで切り盛りしているそう。
長年続く旅館だからこそ、思い出も残る。
毎年サークルで使ってくれる学生さんたちで顔見知りになったり、
何年か越しで来てくれたりするお客さんもいるそう。
自慢の漁師飯とアットホームな客室。
決して新しいわけではないが、無機質ではない
“あったかさ”がある場所で、自分だけの田舎をつくってみるのも良いだろう。
≪とさわや旅館≫
沼津市内浦三津 88-15
TEL:055-943-2002
http://www.izunumazu-tosawaya.jp/index.html
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写真:川上千絵