循環の物語のはじまり~一杯のスープをつくる時間~
修善寺駅から20分。伊豆市萬城の滝にて八百屋 REFS主催の“一杯のスープを作る時間”というイベントが行われた。
今年で3シーズン目の開催となる、このイベントは、一年をかけて富士山の麓から海までの循環を体感する長期体験型のイベントだ。
最高のスープを飲むために器を作る木を切る過程から始め、「森」→「水」→「川」→「海」と自然の恵みを循環していく。
第一回目の今日はその最高のスープを飲むために、器になる木を切るところ。
曇り空。寒さの中、
東京や大阪から15名、地元が10名の参加者が天城に集合。
まずは八百屋 REFS代表の小松さんから主旨の説明。
そして森林づくり伊豆の会の有城さんからお話があった。
参加者は期待を膨らませながら真剣に話を聞く。
その後3つのグループに別れ、作業の説明を聞く。
今回の作業は“間伐”
山へ行き間伐材をする事で森の役割を感じることを目的としている。
それぞれにリーターを決め、ヘルメットを装着。腰にのこぎりの入った作業袋をつけみんなで森に入った。
5メートル以上のヒノキや杉が立派にそびえ立つ。
だが日の当たらない土壌には植物が育たず、根をしっかりと生やすことができない。
こんなにも立派な木にもかかわらず根は薄っぺらいもので
本当にこの幹を支えていたのかと不思議に思うくだいだった。
日を当て、しっかりとした根を持つ木があることで
土壌もしっかりしていく。
上を見上げ、どの木を切るかを決めた。
5~6メートルある木を伐採する。
みな口々に“どうやって倒すんだろう”“引っ張るしかないんじゃない”なんて声が飛ぶ。
決めたらしるしをつけ、倒す方向を決め、それに合わせてロープを巻く。
棒を使い3メートルくらいのところまで切る木にロープをひっかけ
支えになる木にひっかける。
次にチェーンソーで切り込みを入れる。
チェーンソーを使ったことがない人も、実際使用して木を切る。
音も振動も木を切る力強さを感じた。
ロープをみんなで引っ張ると、重みが手に伝わる。
思っていたより重たい。恐る恐る引っ張る手に力が入った。
そしてゆっくりと木は倒れ、ドッスんという重い音が体に響く。
参加者の歓声が上がった。
その後は、丸太を作る。
何度かやるたびに参加者も一人で出来るようになる。
皆たくましくなったような気がした。
最後はREFSの伊豆・富山麓の野菜を使った山のごちそうと猪のバーベキュー。
力仕事の後、気持ちいい山の中での食事は一際おいしい。
切った木に湿り気があることも、木の川を剥ぐととうきびのような味がすることも、光が当たる方に幹が太っていくことも、森にこなければ実感出来なかった。
左から器になる過程。
まずは丸太を半分にして型をとる。
器をつくるのに丸太が一本必要なことを知る。木は湿っていて半年乾かさないと製品にできない。
都内から来た方は
“いろんなワークショップがあるけれど、本当に行きたいワークショップはなかった。
でも2時間以上をかけても来てよかったと思う”
その理由。
“実感がちがう”
器ひとつにしても森と繋がっている。
森の役割、そして生きている木と触れ合うこと。
この先この森がどう循環していくのか。
“実感”してほしい。
一杯のスープを作る時間2014
2回目以降からの参加や1度だけの参加もOKです。
<1回目終了> 木の伐採 @天城山中 2013年12月8日(日)
チェンソーで木を切ります。
<2回目> じゃが芋植え @三島 2014年3月9日(日)
農作業をしスープに使う食材を植えます。木のスプーンづくりもして頂きます。
<3回目> 猟師と原生森をトレッキング 2014年5月18日(日)
山の事、動物の事を知ります。
<4回目> カヤックで狩野川下り @韮山 2014年7月13日(日)
狩野川から水の循環を考えます。
<5回目>海沿いの古民家をベースに漁村体験 2014年9月28日(日)
森と海が繋がります。
<6回目>スープの会 @沼津 2014年11月23日(日)
今までの食材が集合します。
詳しくはこちら→http://fujiyama-veggie.com/soup
今回の映像
一杯のスープ2014 1回目 from REFS on Vimeo.
≪REFS≫
沼津市上土町72-5
TEL:055-963-4556
http://fujiyama-veggie.com/
≪森林づくり伊豆の会≫
http://moridukuriizu.org/