戦災前から続くフルーツ店

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昭和28年、いまだ空襲の傷跡が残るなか、沼津アーケード名店街は戦災復興の象徴として建設された。
そのアーケード名店街ができる以前から店を構えるのが老舗フルーツ専門店、アーケードフルーツ。
代表取締役である橋本光弘さんは3代目にあたるそうだ。

“一番最初は饅頭屋だったそうです。おじいさんの代からフルーツを売るようになったんです”

店頭に並ぶのは季節のフルーツ。この時期はみかんや柿、リンゴなどが並ぶ。
客層は地元の方々がほとんどを占めるが、長泉町の四ツ溝柿を求めて毎年この時期に注文をする都内の方もいるそうだ。
四ッ溝柿は独特の甘みがあり、果肉は柔らかく、ジューシーな味わいがあるとのこと。
そういった説明が一言加わるのも専門店の嬉しいところだ。

西浦みかんなどもあり地元のフルーツを知れて観光客の方にもおすすめだ。

郊外の大型店に客足が伸びるなか、それでもこの場所で昔ながらの商売を続けることにこだわる。
長年、この商店街を見続けてきた橋本さん。
橋本さんが子供の頃には芸者さんが住む花街が本町にあったそうだ。
アーケード名店街には百貨店の松菱があり、アーケードフルーツも夜11時まで営業していた。

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“本町に映画館があったんで、映画が終わってからフルーツを買って帰るお客さんもいたんですよ”

当時、本町には沼津映画劇場をはじめ映画館が何軒か立ち並んでいた。
映画の上映が終わった夜11時、お土産としてフルーツを買って帰る人の姿もあったそうだ。
その後、駅前に西武ができ、時代とともに賑わいは沼津駅南口に移る。
時代が変わり、人通りも変わった。
そういった状況にあって90年間、フルーツの専門店として続けてきた。

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“フルーツはその店独自の味を出すことが難しい商品なんです。だから、差を出すのが難しい”

24時間営業の大型店もでき、コンビニでもフルーツは買えるようになった。
それでもアーケードフルーツを目指してくる常連さんがいる。
橋本さんに会いにやってくる。そこには昔も今も変わらない人情がある。
街は変わっても、変わらないものがここにはある。

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アーケードフルーツ
沼津市町方町58
電話:0559-62-4485

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