丹那から生まれた椅子

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“山も海も川も好きだし、自然に触れることが日常の100%を占めてますから本当に幸せですよね”

函南町の丹那盆地を拠点とする家具作家、近藤正樹。
彼の作りだす作品のモチーフとなるのはコブラ、エイ、羊などの生物が多い。
その理由について、彼は自身の少年期を振り返る。

“小さい時から動物図鑑が一番好きで。ほかの男の子は乗り物図鑑とか見てたんですけど、自分はボロボロになるまで動物図鑑を見てましたね”

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いまから5年前、車に寝袋や七輪を積んで工房の候補地を探す旅に出る。
候補としてあがったのは房総半島、三浦半島、伊豆半島。
旅は伊豆半島、下田から出発。3日目には今住んでいる丹那に行き着いた。
そして盆地にあった牛乳瓶の洗浄工場跡の建物に出会う。
ここは海に近くて山もあり、東京にもすぐ行ける。

“あまり人の多いところは得意ではないのでのんびりできるという意味でも丹那はいいですね。あとは現実的に都会じゃなくても仕事がやっていけるということですかね。むしろ田舎のほうが騒音やにおいの問題がなかったりとか。木工も機械を回すので都会ではうるさくてできないですよね”

埼玉県出身の彼は大学卒業後、飛騨高山で木工技術を習得。2008年にはアイルランドに渡り家具を制作。人口200人ぐらいの小さなまちだったという。

“アイルランドも牛飼いの町でしたし、高山も飛騨牛を生産していて、丹那も牛がいるでしょ。三ヶ所連続で牛つながりですね。偶然ですけど”

牛は偶然としても、田舎暮らしといった点では何か共通点が見いだせるかもしれない。

偶然出会った工場跡を仲間とリノベーションし工房がスタートする。

自然に恵まれた環境。彼の創造性豊かな作品はそんな環境から生み出される。
自然のサイクルの中で生まれたアイデアを形にする。

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“作品によってアプローチが違うんですけど、たとえば羊のときはアイデアスケッチしているときに筆が勝手にあの形に動いて。そうだ、羊だ!って思ったんです”

そんな近藤の椅子は現在Lot.nの正面ショーウィンドウに3脚展示販売されている。10月30日からはホームグラウンドである丹那、Kurubushi-baseで個展を開く。

“今まで個展というと東京でしかやったことなくて、ここでは初めてです。反応が楽しみですね”

都会の喧騒を離れ、丹那で作り上げられた椅子の数々。
椅子としての機能性、近藤正樹が生み出す独創性をこの機に体験してほしい。

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近藤正樹 椅子展
ANIMATURE@kurubushi-base
10月30日~11月5日
12:00~18:00
田方郡函南町丹那315-1
www.kurubushi-works.net
http://masakikondo.com

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丹那から生まれた椅子」への1件のフィードバック

  • 2013年12月11日 @ 18:01
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    感動しました。(^^)/自分もトナカイの椅子作りましたが、まだまだです。(^^)/ 新しい作品できるの楽しみしてます。

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