“おもす”が見せてくれたもの

沼津から車で海沿いを走る。
海越しに富士山を眺めることができる絶景の道。
市内から約40分、重須という地域がある。
海から山へ視線を移す。
あたりにはみかん畑が広がっている。

ここは有数のみかんの産地。
寿太郎、青島をはじめ多くの品種が栽培されている。

numadujournal_omosu1

みかん農家が多く集まるこの地で
企業と生産者が一緒になって商品開発をするプロジェクトが行われた。

今回、内浦重須の農業者有志12人が所属する農事組合法人おもすに所属するみかん農家の岩崎さんにお話しを伺った。

このプロジェクトの始まりは東京のウエディング会社ノバレーゼのCSR活動にあった。
もともとCSR活動をしており、その中で植樹などをしていたがなにかほかにできることがないか探していた。
そんな時、ウエディング雑誌の営業をしていた岩崎さんの息子が実家がミカン農家だということを話した時に
「これだ!」と思ったことが始まりだったそう。

さっそくノバレーゼのマネージャーたちが岩崎さんのところへやってきた。
女性ばかりだったことも驚いたが、
「農業のことはまったくわかりません。でも重須を元気にしたいんです!」
と張り切って言う彼女たちに「面白いことを言うな~」と思ったのと同時に本当にそうなればいいなと思ったそう。

numazujournal_omos3

早速、ミカン狩りに新入社員が20人来るということになった。
20人全員を一人で引き受けるのは難しかったので、
この思いに賛同してくれる同世代の奥さん同士も協力し合える農家が4軒で引き受けることになった。
実際にやってみると、受け入れた農家のおじいちゃんおばあちゃんがとても喜んだ。
重須のミカン園に新しい風が吹き込んだ日となった。

さらに第一次、第二次、第三次産業が連携して農作物の付加価値を高める6次産業化支援ということで
岩崎さんたちの農事組合法人おもす、ノバレーゼ、そして浜松のソースメーカー鳥居食品が手を組んだ。
そしてミカンの栽培過程で出る、これまで活用されていなかった“摘果ミカン”を有効活用した100%ミカンのお酢「想酢(おもす)」を開発した。

商品開発、そして販売までの間で大変なこともたくさんあった。
みんなが集まるときはいいが、自分たちだけで次の準備をするときにうまくいかないこともあった。
だが、それぞれに違う立場で刺激しあい協力した形が“想酢”だ。

numazujournal_omos2

ずっと同じところに住んでいるとその地域の良さが“当たり前”になってしまう。

みかん畑で楽しそうに作業をする新入社員たち。

岩崎さんは言う。
「ここまでみかん畑で楽しそうな人を見たことがなかった。
自分の住む場所、そして農産物でこんなに喜んでいるのを見ていたら、自分もとても嬉しかった。」

人を喜ばせる仕事をする人、そして新入社員の若い力は
農家の人たちに元気と喜びを与えた。

一方で、新入社員たちも新しい気づきやこれから社会で働くことの糧になっただろう。

重須で“想酢”が作り出したもの。
それはただのご当地商品だけではなく、
絆や喜び、地域を見直すきっかけ、そして成長。

この取り組みは今年で4年目。
好評につき年々出荷本数を増やしている。
そのたびに、新しい社員や農家さん、ボランティアの方が増えている。

そんな想いのたくさん重なり合った“想酢”。
素敵な出来事を想像しながらこのお酢を味わってみたい。

≪参考≫
NOVARESE CSR 活動報告

≪販売場所≫
オーモス
金岡直産市
JAふれあい市・長泉産直市
西部産直市KU~ら
JAなんすん(沼津みなと新鮮館内)

おすすめ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。