日本で初めてウィンドサーフィンをした男

御用邸から牛臥海岸に向かっていくと小さなウィンドサーフィンのショップがある。入口にはいくつものサーフボードが塀のようにディスプレイされ、その奥には味のあるテーブルなどがおいてある。そこからオーナの大川さんひょっこり出てきた。真っ黒くやけた体に、無造作に結んだ髪、飾り気のない雰囲気はなんともかっこいい。

大川さんは外国からのウィンドサーフィンをなんとか組み立てようやく出来上がって、初乗りした海が牛臥海岸だったようだ。

ボードがボロボロになるほど、毎日通う。
でも道具のセットの仕方や、セーリングのイロハ…誰も教えてくれる人がいなかった。
「日本でウィンドサーフィンを最初にをしたのは、自分だった」と、後から知ったようだ。

ウィンドサーフィンに携わり40年。
サーフショップは「理想の夢」に向かって一つ一つ形にしていったそう。
海から上がってシャワーが欲しいな、とかスポーツの後にビールが飲めたらなとか。
そうして築きあげたこのショップには歴史と全国の人から愛されていることが伝わってくる。
実際、大川さんも40年の間に大変なこともあったが、いろんな人が来てくれたことを喜んでいた。

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現在このショップの利用者は地元6割、県外が4割だという。一見地元の人も来ているようだが半数が県外。あまり地元の人に知られていないというのが現状である。

この牛臥は有数のマリンスポーツに適した場所である。カヌー、サップ、ウィンドサーフィン、また沼津で唯一サーフィンができる場所でもある。つまり、風と波の両方を楽しめるスポットなのだ。

できるだけみんなが海を楽しめるようにほぼ毎日スクールを開催、ショップも海から全員戻るまでは閉めない。相手は自然。天候は変わりやすい。安全に遊べるように、海で悲劇が起こらないようにショップには重要な役割があった。

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海はお金をかけて遊ぶところというイメージも強かったり、マリンスポーツも敷居が高いような気がしてなかなかチャレンジできないひとも多いのではないだろうか?
その敷居を低くするのに一役買ったビーチフェスタにも大川さんは積極的に参加し、盛り上げた。
牛臥を知らない人、海に興味がない人も海に触れ合う機会になった。実際、その後機材をレンタルに来た家族もいたそうだ。
「海で遊ぶ家族をみるのは本当に気持ちいい、町に根付いたクラブになるのが夢」と大川さん。

この日は、熱海からウィンドサーフィンをしに来ている85歳のおじいちゃんがいた。慣れた手つきでボードを運んでいる。週に2~3回、海に入ることで健康管理をしているそう。

このほかにもウィンドサーフィンをしに来た人が何人かいたり、大川さんからショップによく来る人の話を聞いたが、海がライフスタイルの一部になっていることがよくわかる。それが週に何度も海に来るにしろ、月1回にしろ、ここを好んでくる。特に都内から来る人にとって、「インターから近い海」である沼津はとても良い場所だ。

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牛臥では、もちろんマリンスポーツをしてもらいたいが、マリンスポーツをする人たちを見るだけでも面白い。海をライフスタイルの一部にとりいえることができるのは、沼津の特権だ。その取り入れ方は人それぞれだ。マリンスポーツをするでもよし、眺めるでもよし。海を私たちの生活の一部とし、大切にしていきたい。

ウインドサーフィンプロショップ・ドゥメール オオカワ
〒410-0822 静岡県沼津市下香貫牛臥2802-5
TEL:055-931-1070
セーリングハウス TEL:055-931-0676 FAX:055-933-4574

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